春の嵐

 悲劇のヒロインは  美しくない

 言動ひどい  

 人を信じない  

 歩調を合わせてくれない

 やめろと言ってるのに  死にたがる

 君の心は病魔でいっぱい

 その未来半分を  よこしてくれたなら



 イラッとして時々征服したくなる

 守るってそういうことさ

 君を守るために征服するか

 君を守るために愛するか

 いつだって紙一重



 君の未来を  くれたら

 けどやっぱり  

 くれないみたいだ  

 何にもくれない君に

 愚かと知ってて  恋してる

 君の心は病魔でいっぱい

 二人に迫ってる  未来の破壊音が



 イラッとして時々征服したくなる

 守るってそういうことさ

 忍耐の尾がいつも  切れそうだ

 俺の女になる  保証はない

 分の悪い  片思い



 彼奴と剣を  交える

 サクラサク  

 サクラサク  

 何にもくれない君の

 護衛をやめる  俺じゃない

 春の嵐が吹きすさぶ

 破壊のビートに乗れ  嵐のビートに乗れ



 イラッとして気持ちのいいもんじゃないさ

 一つも可愛くないが

 君が健やかならば  もういいんだ

 嵐のビートに乗って  風になる

 分の悪い  クジ引いた!


譜面

春の嵐1
春の嵐1
春の嵐2
春の嵐2

うんちく

悲劇のヒロインは美しくありません。作品が絵にならないと困るのでヒロインが細い事にしていますが、現実の悲劇のヒロインは大体太っています。




DV被害者に美しい人なんかいないし、弱者の中の弱者なら、人格障碍や発達障碍があるかもしれません。人格障碍だったら、守ってくれる医者すら落とし入れますから、どう助けていいかわからない。




美しくない弱者を守るのは、介護と同じこと。一体どれだけの男性ができるのでしょう。




「ベルセルク」でガッツが一人でキャスカの介護をしていた時に他人のように思えなくて書いた作品です。




新井昭乃さんの「ガレキの楽園」が大好きだったので、あえてのアンチテーゼとなるかな、とも思いました。