ジェイコブ・マーレイ(作曲版)

 スクルージより前に亡霊となった僕は

 彼に慈悲の手、降りると知った

 僕の仕事は使い走り

 選ばれし者は僕でなく

 蒼い魂の幽霊たち



 僕にしか彼はわからない

 僕にしか彼は救えない

 どうして僕じゃいけなかったんだ

 身体に食い込む銀の鎖

 罪が深すぎて重くなる

 神は僕を許しはしない



 命が絶えても全てを怨み

 僕は足掻いてる この現世《うつよ》で

 首が絞まっても血が噴いたとて

 神に見えないものを見てる



 神に従って僕は彼に告げた

 「三たび幽霊訪れるだろう」

 昔の相方スクルージ

 信じたことすらなかったが

 君はある意味、美しいのさ



 僕の告知など笑い飛ばせ

 君はこの程度おびえはしない

 華麗に罪を犯すがいい

 高潔なダイヤ、君の双眸

 孤独と吹雪が似合っている

 鷹のように飛び続けろ



 氷の玉座で全てなぎはらえ

 僕らに愛など必要ない

 金貨の鳴る木が君に服従してる

 嵐をおこせ吹雪姫



 僕の眼をしてる僕の神が笑ってる

 覚悟も美学も共有してる

 手のひらの上で手のひらまで焼き尽くせ

 保身と栄光と椿の乱


楽譜

ジェイコブ1
ジェイコブ1
ジェイコブ2
ジェイコブ2
ジェイコブ3
ジェイコブ3

鉛筆書き、見えにくいですよね。「雨降りジョーカー」をボールペン書きにしたら、ヘタレたのでこうなりました。すみません。


コード完成と書いてありますが、多分間違えてます。

うんちく

 クリスマスキャロルのパロデイですが、もはや昔過ぎて原作を覚えていません。

 本作ではジェイコブとスクルージがかつて守銭奴として手を組んでいたか、あるいは競争相手で、ジェイコブが先に死んだので、スクルージが勝者になった、という話になっております。

 あと、二人とも若い設定です。





 ジェイコブのストーリーは何回も書いています。

 自分のイメージ通りにかけたものがなくて、繰り返し追いかけてる感じです。

 こちらの作詞は二作目。




 私はパロディは書いても、原作はなかなか読み返しません。

 ジェイコブ・マーレイについて誤解釈があるかもしれませんが、まあいいかと思っています。




 私はスクルージを導く三人の幽霊より、ジェイコブの方がスクルージを知り尽くしていると思っています。

 怨み合ったり憎しみ合ったりしてるかもしれませんが、美学と歪んだ絆もあったのではないでしょうか。




 クリスマスキャロルは素敵な作品ですが私はクリスチャンではないし、守銭奴が改心する話は面白く書けません。

 それよりスクルージとジェイコブのドラマの方が楽しいです。