お七

 かんかんかんかん  火消しの怒声

 かんかんかんかん  お七は走る



 以前炎の中で  逢った彼にまた逢いたい

 罪に手を染める彼女  逢いたい逢いたい又逢いたいから

 


 炎蛇が舞う長屋  黒煙にだかれ

 わき目も見ず彼を  お七は探す

 「地獄に落ちるよ」と  のたうつ炎蛇

 可能性に賭けた  お七の哀歌




 かんかんかんかん  重い罪なり

 かんかんかんかん  常軌を逸す




 狂気に駆り立てる恋  胸は胸は今裂けそう

 罪とわかっていても  悲しい悲しい又逢いたいから

 


 手をのばせば届く  恋しい人に

 わき目も見ず彼を  お七は探す

 「一生を棒にふって」  炎蛇が笑う

 恋でみんな燃した  お七の罪さ



 かんかんかんかん  はやる鼓動に

 かんかんかんかん  血が騒いでる



 振り向く蛇使い  泣き笑いしてる

 「おまえものまれるか  炎蛇の海に」

 血で戯曲を奏で  泣き笑いしてる

 「お前も魅せられた  炎蛇の海に」



 百合の花が月下で  別離を泣いた

 嘆きも届かない  彼女の耳に

 炎蛇が舞う長屋  恋だけで走る

 わき目も見ず彼を  お七は探す



 かんかんかんかん必ず逢える

 かんかんかんかん恋しい人に


お七(作曲)
お七(作曲)

うんちく

 歌詞より曲の方が好きです。

 現実のお七の話は彼女が罰を受けるのでアンハッピーエンドなんですが、私の作品では罰の描写はありません。恋するランナーのイメージで書かせていただきました。