朝目が覚めたら完成していた物語のあらすじです。3ページで終わります。
メインコンピューターが、ああでこうで、という展開と、人種差別描写のある話です。
私の少しの世界史知識では、とても書けません。軍事知識も必要ですし……。このストーリーに関しては原案係に留まろうと思っています。
「兄ちゃんのバカ!」
「どうして欲しいの?」
「ウワァァァァン!バカ、バカ」
「お前もよく面倒みるよなあ」
アイファンは、6人兄弟の長男、15歳。同世代幼馴染のテラは、感心ばかりさせられていた。
アイファンは、泣きわめく小さい弟をなだめる。
「バカばっかりじゃ、わからないよ。どうして欲しいか、言ってごらん」
「ウワァァァァン!」
「話合うことをね、交渉って言うんだ。アンシュ、交渉してごらん?」
「ギャアァァァァ!」
「まだ早いんだよ。話にならないじゃないか」
「でも、一人の人間だからね」
テラがツッコむと、アイファンは弟をあやしながら、幸せそうに笑った。
彼は子供、弟妹大好き長男。柔和な性格で、産まれた時から、両親が驚くほど眩しい、女性的な容姿をしていた。テラから見ると、弟妹と一緒のアイファンは、お母さんにしか、見えない。
テラたちは、ダングル帝国の最下層少数民族サイラン。少しの自治権を与えられて、帝国の西側に暮らしていた。もっと以前はさらなる下層民族がいたが、ダングルに抵抗したことがきっかけで、滅んでしまった。
自治権があるのはいいものだ。自分たちの文字を書き、自分たちの言葉で学校に行ける。
ただ、ダングル語も必須科目になってるだけだ。
(テラ達の幸せな描写が続いたあと、状況急変)
東側の少し上位の少数民族、クラッツが、他の民族と結束して、ダングルに抵抗し始めたことから、ダングルの民族浄化が始まった。
テラ達の学校では、サイラン語が禁止され、少数民族避妊手術政策も断行された。
ダングルから強制的に入植者も入ってきて、サイランを支配した。
サイランは、結束して抵抗。
ダングルの攻撃の雨が降り始めた。
(重火器のある文化です)
サイラン市民会館は、立地として戦いに適していた。サイランたちは、そこに結集して、男性陣営がダングルに応戦していたが、劣勢になる。サイランは、会館裏口から、子供達を逃し始める。
テラの母もそうだった。
「テラ、アイファン逃げなさい」
テラは尋ねた。
「母さんは」
「私はお父さんと戦います」
「じゃあ、おれも」
「許しません、アイファンが心配じゃないの? 彼を助けて逃げなさい。お父さんの子ならできる!」
アイファンは、弟妹5人連れて庇おうと必死になっている。泣き叫ぶ弟妹達。
「わかった……」
テラはアイファンの弟妹二人を抱いて、アイファンと走りだした。
ターン。
爆音に振り返ると、エリサ(テラの母)は、裏口の外で、銃で自害していた。
「おばさん!」
アイファンが取り乱す。
「行こう」
テラは泣きながらアイファンを促した。
民族浄化政策下では、女性の運命は過酷だ。だから、彼女は、籠城している夫を苦しめまいと、裏口で自害したのだ。そして、テラの父親も感づいていながら、戦っているだろう。
―――お父さんの子なら、出来る!
テラは母の声を胸に、アイファンと共に、子供達を連れて攻撃の雨の中、逃げる。
下の子供達が次々と死んでゆく。
最後の3人も瀕死状態。
「アイファン、諦めろ。俺たちだけでも逃げるんだ」
「嫌だ!」
最後の子供(弟?妹?)が死ぬ。
「嫌だぁぁぁぁぁ!」
泣き叫ぶアイファンの手を引いて、戦禍を走るテラ。
目の前に海。アイファンを突き落とし、自分も海に飛び込むテラ。
最後に庇ってくれる大人のサイランがいる。
「二人とも、泳ぎなさい!」
叫んだ瞬間、彼も絶命。
必死に泳ぐテラとアイファン。その間に潮流が押し寄せ、はぐれてしまって、二人で別々に流される。
テラは新しい島で、良い出会いを果たす。しかしそこもダングル帝国少数民族自治区。まもなくダングルの攻撃がはじまる。テラ達は水面下で抵抗活動。(島のみの力では難しいので、他国の支援もあったかもしれません)
テラはダングルの武力母体にして守護神、メインコンピューター、ソフィアの存在を知り、それを破壊するため、仲間と一緒にダングルの大陸に乗り込んでゆく。
(作者覚え書き)
テラの視点で書いてるのでわからないかもしれませんが、彼も美形です。
サイランは全員黒髪黒眼の少数民族です。
赤毛の民族は滅んでいる設定。
ダングル人の方の容姿は、あまり考えてませんが、白髪金眼という設定はどうですか?
テラは仲間と一緒に、ダングル武力母体にして守護神、メインコンピューター、ソフィアの中枢近くまで来た時に、親少数民族派のダングル人博士と出会う。
博士の協力で、情報を得る事ができたが、博士の裏切りが発覚し、ダングル側が博士を捕らえてしまう。博士に庇われ、一人敵から逃れるテラ。
コンピューター、ソフィアは異民族には容赦ないが、何故か、ある瞬間から、テラを守ってくれるようになる。
「どうして……」
「テラ、元気で良かった」
ソフィア内部から、知ったような声がする。
「誰?」
「僕だよ、アイファン」
どこにもいない、アイファンの声が聞こえる。
「アイファン、生きて……!」
テラは喜びかけたがアイファンの姿がないので、どうしていいか、わからなくなった。
「どこにいるんだよ」
「コンピューターの中だよ。少し説明していい?」
(アイファンの説明が始まる)
「僕、泳いで北側の少数民族の島で庇ってもらえたんだけどね、弟妹を守れなかったのが辛くて、心を病み、自分で自分を切り刻んでしまったんだ。
庇ってくれた民族と一緒にダングルに捕まった時は、もう労働力にならなかった。ダングルは異民族を処分する時、火葬はせずに溶解液を使う。僕は仲間の死体と一緒に、溶解液に沈んでいった。身体が溶けたと思ったら、彼女の声がした」
「彼女?」
「僕はソフィアと同化した」
テラ、身体の無いアイファンのサポートで、ソフィア内部に捕えられてる少数民族(有識者の思想犯)達を解放して回る。仲間と博士も解放。
当初はソフィアを破壊する目的だったが、ソフィア=アイファンなら壊す必要はない。
みんなで結束して、中枢部から脱出しようとすると、突然、ソフィアがテラに攻撃しはじめる。
「どういう事だよ!お前、アイファンじゃないのかよ!」
「私はソフィアだ」
子供の声がする。
「誰……」
「全員殺してあげる」
ソフィアがダングル人も少数民族も区別なく、殺し始める。
逃げながらテラが叫ぶ。
「アイファン、どういうことだ。アイファン答えてくれ!」
メインコンピュータから、メキメキと、人の姿が生まれ始める。真っ赤な長髪の少年の姿(裸ではありません)。
コンピューターから分離すると、しばらく倒れていたが、起き上がり、歩き始める。
「博士、私を覚えていますか?」
「その声は、ソフィア……!」
コンピューターから、電子の触手が飛んできて博士を殺害する。
「何するんだ、お前……、お前……、アイファンじゃないか……」
テラは牙を向いているうちに、相手の姿が幼馴染だと理解する。「アイファン、その髪……」
「ソフィア、バルグリッシュだったみたいなんだ」
アイファンが自分の声で答える。
「バルグリッシュ……?数100年前に滅ぼされた、少数民族……?」
「彼女最後の生き残りだ。檻に入れられて見世物をやらされてたらしい。それを博士が買って、溶解液に溶かして、メインコンピューターの母体にした」
「そんな、ダングルの守護神が、被差別階層……」
「だから彼女、怒ってるんだ。テラ、僕もう限界だ。彼女を止めてくれ」
アイファンの赤毛が爆発し、触手のように伸び、ダングルも少数民族も締め殺し、斬り殺し始める。
テラが、アイファンの身体に取りすがる。
「ソフィア、やめろ! アイファンを返してくれ! アイファン、アイファン!」
「みんな殺してやる」
アイファンは出てこない。ソフィアの声が答える。周辺の人間の虐殺が続く。
「ソフィア、怒りを鎮めてくれ、頼む!」
ソフィアとアイファンが入れ替わる。
アイファン「どうしたらいいか、ソフィアに聞いて!」
テラ「どうしたらいいんだよ、ソフィア、教えてくれ!」
ソフィア「うるさい。わかってるはずだ。お前らが考えたらいい」
テラ「わかんないよ!何したらいいんだ」
ソフィア「みんな、私を馬鹿にして、馬鹿にして。ダングル人も他の奴らも皆殺しだ」
アイファン、ソフィアと入れ替わる。
アイファン「何でも言う事聞くよってソフィアに言って」
テラ「おれ、殺されない?」
アイファン「そうはならない!」
ソフィア、アイファンと入れ替わる。髪の毛で大暴れ。
テラ「ソフィア、何でも聞くよ!言う通りにする」
ソフィア「じゃあ皆殺しにして!」
「ほら、こうなったぁぁぁ!」
テラ、パニック。
アイファン、ソフィアと入れ替わる。
「それ以外でって、ソフィアに聞いて」
ソフィア、アイファンと入れ替わる。大暴れ。
テラ「ソフィア、それ以外で、どうしてほしいんだ」
叫んで殺戮を続けるソフィア。
アイファン、ソフィアと入れ替わる。
アイファン「テラ、『両手両足切断されて、トイレで飼われても、君を愛するよう努力するよ』って、言って!」
テラ「嘘だろおぉぉぉぉぉぉ?! おれ、死んじゃうよ!」
アイファン「ソフィアはそんな子じゃない。テラ、言って!」
ソフィア、アイファンと入れ替わって、殺戮を続ける。
捨て鉢になって、テラが叫ぶ。
「ソフィア、両手両足切断されても、君を愛するよう努力するよ!」
ソフィア激怒。
「そんなの、ロボットみたいじゃないか。努力の愛なんか要らないんだ!」
―――兄ちゃんのバカ!
その時テラの脳裏で幸せだった頃の思い出が蘇った。
―――話合う事を、交渉って言うんだ。アンシュ、交渉してごらん?
アイファンの声が聞こえた。
テラはソフィアの両方の二の腕をつかんで、ゆさぶった。
「ソフィア、交渉しよう。どうして欲しいのか、言ってごらん」
「皆殺しだ!」
「それ以外で!」
「考えろよ!」
「駄目だ。交渉して! おれ、どうしたらいいんだ」
ソフィアの目から涙が溢れる。
「わからない、わからない、止まらないの。何とかして、何とかして、何とかして!」
テラがソフィアを抱きしめる。
「おれが何とかする。全部一人で解決して辛かったんだろ。その苦しみ、おれが背負うから!」
ソフィアのコンピューターが全てショートしてブラックアウト。髪の毛の暴走も止まる。
テラが手を離すと、アイファンがうつむき、泣いて目を擦っている。
「これ、ソフィアの涙だ」
殺戮終わり。
(作者覚え書き)
アイファンはその後、赤毛なままで人生を送ります。
ダングル帝国は守護神を失い、少数民族の結束で崩壊。
直後にソフィアのお墓を作った方が親切かもしれませんが、テラもアイファンも故郷再建のために尽力し、一時的に忙殺される設定にします。
テラ、一緒に働いているアイファンを見ながら、
(ソフィア、まだいるのかな……)
などと気にかけています。
ダングル崩壊でそんなに簡単に平和が来るとは思えませんが……とりあえず事態は落ち着きました。
ある時、テラはアイファンが自宅の庭で何か土をいじっているのを見かけます。
アイファン周辺に、山のような泥団子。
「何してるんだ」
アイファンが振り返る。
「見ての通り、泥団子作ってるんだよ」
「どうして?」
「ソフィアが『遊んで』って、言ってる」
「聞こえるの?」
「うん」
「じゃあ、オレも遊ぶ」
二人でせっせと泥団子作り。泥団子の要塞ができる。
テラ「よし、ソフィア、もっと楽しいことしようぜ」
アイファン「何?」
テラ、アイファンを指さして「ソフィアとアイファンはチームだ。わかったな? てや!」
アイファン「うぎゃっ?!」
テラがアイファンに泥団子をぶつける。
アイファン「何すんだよ」
テラ、不敵に笑って「遊びの世界は弱肉強食なんだ。お前も戦え」
アイファン「この……!」
二人で泥団子ぶつけ合い。
盛り上がる。
息が上がったところで、遊び終了。二人とも、泥でまっ黒け。
テラ「ソフィア、満足したかな」
アイファンが笑う。「うん、笑ってる。今、天国に行った」
テラ「わかるの?」
アイファン、ソフィアの旅立った空を見上げている。「うん」
テラ「ソフィアのお墓作ったら、喜ぶ?」
アイファン「うん、多分」
アイファンとテラで、ソフィアのお墓を作る。その日はドロドロだったので、後日着替えて二人でお参り。花を添える。
アイファンの台詞。
「ソフィア、コンピューターから出て来る時、女の子の身体も選べたんだ。でもそうしなかった。僕に身体を――二度目の人生をくれたね。ありがとう。今度は大切にするよ」
私が考えたラストはここまでです。
(作者覚え書き)
全ページの完結編直後に、テラとアイファンがソフィアのお墓を作ってお参りした方が親切だとは思います。
今回の泥団子遊びエピソードは、お盆でソフィアが帰ってきた描写にしてもいいのですが、そうすると、ソフィアが天国に召されるきれいな描写がなくなるんですよね。悩ましいです。
(覚え書き2)
コンピューターから人が生まれる場面がありますが、何もアンドロイドや、シリコン生命体が生まれた訳ではありません。コンピューターの母体がソフィア溶解液なので、ヒトを生成する事が出来るんです。
(覚え書き3)
ソフィア、コンピュータから出てこれるなら、早く出て来りゃ良かったじゃん、とツッコまれそうですが、多分アイファンと融合した時に覚醒したんだと思います。
溶解液には、多数の少数民族の死体が溶けていましたが、生きたまま溶かされたのが、アイファンとソフィア。それで、二人リンク出来たのでしょう。
(覚え書き4)
ソフィアの武器は髪の毛となっていますが、マザーコンピューターの電子の触手でも良かったかなあ?と考えています。でも、髪の毛も面白いと思っています。どうする?
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から